コラムCOLUMN
精密治療って何?Part1:削る判断と原因は?
精密治療の重要性と最新技術によるメリット
近年、歯科治療は技術の進化とともに精度が大幅に向上しています。特に「精密治療」と呼ばれる治療は、歯を削る量を最小限に抑え、歯質をできるだけ保存することを目的としています。これにより、患者の自然な歯を長く保つことができ、虫歯や歯周病のリスクを軽減します。
精密治療に使用される最新技術
精密治療では、マイクロスコープや口腔内カメラといった最新の診断技術が使用されます。これらの器具を使用することで、歯や周囲の組織を細部まで確認でき、治療の精度が飛躍的に向上します。これまで見落とされがちだった小さな虫歯や歯のひび割れも、正確に診断し治療することが可能になります。
これに加え、治療過程をカメラで記録し、患者に説明することができるため、治療内容に対する理解が深まります。不安を抱える患者も、自分の状態を視覚的に把握できるため、治療に対する不安が軽減される効果があります。
コンポジットレジン修復 – 即日で完了する精密治療
精密治療の一例として「コンポジットレジン修復」があります。これは、樹脂を用いた治療法で、一般的には即日治療が可能です。歯を削る範囲を最小限に抑えつつ、自然な見た目と機能性を取り戻すことができます。また、金属を使用しないため、見た目も白く美しい仕上がりになります。
精密治療の費用
精密治療は一般的に保険外診療となるため、費用がかかるケースが多いです。具体的には、治療時間や症例の難易度によって異なりますが、30分で1本6600円、神経が近い場合は1本11000円といった費用がかかることが一般的です。また、60分で2本22000円といったプランもあります。事前に保険診療でレントゲン撮影などを行う必要があるため、治療の際には事前に相談することをお勧めします。
精密治療のメリット – なぜ選ぶべきか?
精密治療の最大のメリットは、健康な歯質をできる限り保存できることです。従来の治療では、虫歯や問題箇所を大きく削ることが一般的でしたが、精密治療では削る範囲を最小限に抑えられます。これにより、歯の寿命が延び、将来的なトラブルも減少します。また、即日治療が可能なケースも多いため、患者にとって時間的な負担も少なく済みます。
参考症例
29歳女性
歯が黒いのでみてほしい
口腔内写真と歯科用レントゲン
口腔内所見では少し歯が黒いのかな?また、レントゲンでもはっきりとは映ってはいないが、診査診断を行うことで早期の治療を話をした。
精密治療を希望されたので、歯科麻酔を行いラバーダム防湿を行なった。
歯質を削ってみると以下のように虫歯が広がっていた。
う蝕検知液を使用しつつ虫歯の部分のみを極力削るように心がけていきます。う蝕の除去後は下図のようになりましたが、虫歯の範囲も大きかったので歯髄を強くしてくれるお薬をおいてからコンポジットレジン修復で治療することになった。
治療終了後
今回の患者さんはマウスピース矯正もしており、治療部位への咬合力も過度に加わっていた。
治療にあたって削る範囲の選択はとても重要であり、その歯の一生をどう送ることができるか?がとても大事になってくる。
お悩みがある方はぜひ一度ご相談ください!